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2012年07月27日の記事は以下のとおりです。

「 子 ど も を 守 る 」  ― 名画から学ぶ ―

  • 2012/07/27 14:50

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『ライフ・イズ・ビューティフル』という名画をご存知でしょうか。
今回は、第二次世界大戦の渦中、過酷な運命の中で愛する子どもと妻を命がけで守りぬいた、優しくも勇気ある男性(お父さん)の姿をご紹介します。

 イタリアの小さな町で本屋を商うグイドと妻ドーラには、ジョズエという息子を授かり幸福に暮らしていました。しかし、戦争の色が次第に濃くなり、ユダヤ人の弾圧が家族に忍び寄ってきます。ついに一家は強制収容所に送られ、絶望と死を目の前にすることになります。
 グイドは幼い息子を守るため、そして恐怖を味あわせないように「これはゲームなんだ。軍服を着た悪者に見つからないようにかくれんぼをして、最後まで見つからなければ、ご褒美に本物の戦車がもらえるんだ。」「泣いたり、ママに会いたがったりしたら減点。いい子にしていれば点数がもらえて、1000点たまったら勝ち。勝ったら、本物の戦車に乗ってお家に帰れるんだ。」と、にこやかに息子に告げるのです。
 その話を聞いてからというもの、昼間父が強制労働に駆り出されている間、部屋に残ったジョズエは、二段ベッドの上や下に隠れては「今日も見つからなかったよ」と疲れ果てて宿舎に戻って来た父に報告します。父は疲れた顔を微塵も見せずに、陽気に受け応えして、息子に食べさせようと残しておいた自分の昼食を差し出します。
 またある時には、愛する妻も同じ収容所の敷地内にいることを知って、収容所の放送室に忍び込み、妻の好きな音楽をかけ「愛しているよ」と言うメッセージを大音響で流します。妻はそれを聞いて、夫の温かい愛情を心に抱きしめ、涙を浮かべつつも生きる勇気を与えられるのです。 
 そうしたある日、突如、女性たちがガス室送りになると云う情報を耳にします。グイドは、女たちが乗せられているトラックに駆け寄り、大声で叫びながら妻を懸命に捜しますが、ついに見つかりません。
それどころかナチス兵に見つかってしまい、建物の陰に連行されて行きます。
 それを息子のジョズエが父に言われた通り「かくれんぼ」しながらゴミ箱の隙間から様子を見ていました。父は「誰もいなくなるまで絶対にこのゴミ箱から出てはいけない」と、息子に今まで以上にきつく言い聞かせていたのです。
 グイドは息子に見られていることを知っていましたから、このような時までもピエロのような歩き方をして、覗いているジョズエに向かってウィンクをして見せます。最期の最期まで子ども思いのユーモアたっぷりの優しい父親でありました…そして次の瞬間、壁の後ろで銃声が聞こえます …父親が射殺されたことを知る由もないジョズエは、父親の言いつけを守り、人の気配がなくなるまでずっと箱の中にこもっていました。
 すると暫くして、ドイツ兵がいなくなった収容所の大通りに、アメリカ軍の戦車が堂々と近づいてくるではないですか!「最後まで見つからなければ、ご褒美に本物の戦車がもらえる。」まさに、父親が話した通りの光景を息子が見ることになります。ジョズエはごみ箱から出てきました、そして陽気なアメリカ兵に声をかけられ、戦車に乗せてもらいました。「いい子にしていれば、本物の戦車に乗ってお家に帰れるんだ、パパが言ったとおりだね!」と嬉しそうにジョズエは叫びました。

 同じ道を強制収容所から解放されたイタリア人たちが、とぼとぼ故郷に向かって歩いていました。戦車に乗ったジョズエは、母の姿を必死に捜します。すると、無事に生きていた優しい母ドーラの姿があるではありませんか!ジョズエは戦車から降ろしてもらって、二人は固く抱き合うのです。
 当時イタリアにはユダヤ人が4万5千人いて、そのうち8千人がナチスの強制収容所に送られたということです。生還したのはそのうち、ごく僅かであったそうです。

 如何でしたか?私の稚拙な作文では、この映画の素晴らしさは良く伝わりませんが、ご家族でこの映画のDVDをご鑑賞いただけましたら幸いです。 平和の尊さを、ご家族で分かち合って下さい。

 暑い夏本番ですね、どうぞお元気でお過ごし下さい。

2012年7月27日
田 中 秀 一

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